正しい独裁者
昭和の終わりと平成の始まりの時、プロ野球パ・リーグはものすごく熱かったのです。 1989年(平成元年)10月14日年近鉄バッファローズが2位オリックスに0.001差で優勝しました。 1989年パ・リーグの最終順位 (近鉄とオリックスのゲーム差は0、近鉄が優勝) 近鉄 71勝54敗5分 勝率.568 オリックス 72勝55敗3分 勝率.567 西武 69勝53敗8分 勝率.566その時に監督だった仰木監督の言葉『佐伯オーナーが守ってくれたからだ』 その9日前、当事近鉄のオーナーだった佐伯勇氏が亡くなった10月5日の時点でオリックスに3ゲーム差をつけられ、 自力優勝の可能性が消滅していたからです。
その佐伯勇氏は、近鉄グループの7代目社長・会長・名誉会長を歴任した中興の祖です。 佐伯勇氏の残した名言
「経営者は独裁すれども独断せず」
『私の信念は”独裁はするが独断はしない”です。決断を下す場合、私はあらゆる知恵を集める。 調査研究に十分時間とお金をかけることは言うまでもないが、社内の衆知を集めるためには 階級差も衣冠束帯もまったく問わない。』
強烈な個性を持った社長でしたが、どんな社員の言葉にも耳を傾けた良き経営者でした。